殿筋拘縮症について

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殿筋は股関節の作用に関わる筋肉です。

一番外側でお尻全体の形を作っているのが大殿筋です。その下に重なっている中殿筋、更に深部に小殿筋があり体を支え下半身の運動を担う重要な働きをしています。

筋拘縮症被害の中で殿筋拘縮症は大腿四頭筋や三角筋被害と比べて多くはありません。

子どもへの注射部位はふともも(大腿四頭筋)、おしり(殿筋)のどちらも多く行われていたようですが、乳幼児はおしりが未発達で筋肉量が少ない上、神経組織が多く要注意事項として坐骨神経を傷つけることによる神経麻痺が警告されていたこともあり、幼い子どもは太ももに注射することが多かったようです。

大腿四頭筋拘縮症の大量被害が社会問題となってからは日本医師会が「子どもへの注射はおしりが安全」という見解を発表しました。当初は殿筋拘縮症は少なく、発症はまれだと考えられていたからです。

筋拘縮症被害者の親の会をサポートし、全国的に自主検診活動を行っていた自主検診医師団は「筋肉注射はどの部位でも筋拘縮症を起こすリスクがある」と主張しました。

筋拘縮症各種の診断方法が確立するに従い、殿筋拘縮症はまれではなくそれまで見過ごされていたことが分かりました。

殿筋は大腿直筋や三角筋とは筋肉の構造が違い、筋拘縮症を起こしにくく、発症するまでの時間と悪化するスピードも遅いですが、検診により重症の殿筋拘縮症の子どもも多く見つかっています。また、台湾では殿筋拘縮症の大量発生が報告されています。

【殿筋拘縮症の症状について】
筋拘縮症の特徴として、注射した部分のでこぼことしたへこみや硬いしこりなどの皮膚症状があり、お尻のきれいな丸い形は損なわれてしまいます。
 
・歩くときにがに股になってしまう、転びやすいというもの。
・重症になると脚を閉じて座れない、
・座ると上体が後に倒れてしまうというもの。
・トイレを始めとした生活動作が困難な場合もあります。

 
殿筋拘縮症では股関節の可動域制限が起こるのですが診断基準を図解しましたが、専門知識が無いと判断がなかなか難しいと思います。